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- Date:2024年11月22日
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日本マクドナルドホールディングスが、再生へ向け、もがき苦しんでいる。
今年7月、仕入れ先だった中国の食肉加工会社で期限切れ鶏肉使用が発覚して以降、売上高は低迷したままで、フランチャイズ(FC)店舗の経営悪化懸念もある。
オーナーや利用客の声を吸い上げて、難局を打開しようと試みるが、まだ目に見えた効果は上がっていない。
「お客様の動向や店舗運営に変化はありますか」。日本マクドナルドの宮下建治上席執行役員は11日、京王多摩センター店(東京都多摩市)を訪れ、打越法明店長と意見交換した。
打越店長は「(鶏肉問題で)売り上げが減り、長時間働きたいアルバイトの希望に応えられない」と悩みを打ち明けた。
マクドナルドは全国約3100店舗のうち約7割がFC店舗だ。店の経営はマクドナルドとは独立した企業や個人が行い、売り上げの一定割合をマクドナルドに支払う。京王多摩センター店も、FC店舗の一つだ。
鶏肉問題発覚以降、マクドナルドはFC店舗への金銭的な支援を行っているが、売り上げの低迷が続けば経営も苦しくなる。同じ多摩地区で今秋、多店舗展開する優良オーナーが店を手放すなどFCも一枚岩ではない。
宮下氏は「本社とオーナーが同じ方向を向く必要がある」と、2日に1日は全国の店舗やオーナーを回り、現場の声に耳を傾ける。サラ・カサノバ社長も週1回のペースで店舗を訪問し、客や従業員との対話を重ねる。
「原田泳幸前社長よりも頻繁に店舗を回っている」(関係者)といい、「対話重視」を反転へのきっかけにしたい考えだ。
客の声を反映させる取り組みは、メニュー開発にも及んでいる。10月に発売した「とんかつマックバーガー」は商品開発のメンバーに利用客15人を加えた。初めての試みで、ソースの味などに意見を反映させたという。家族連れを意識した店舗改装も進め、8月には全店舗を禁煙にした。
ただ、客離れは歯止めがかかっていない。11月の既存店売上高は前年同月比12.3%減と、鶏肉問題が発覚して以降、5カ月連続の2ケタ減。
人気キャラクターの「妖怪ウォッチ」カレンダーの販売が2週間で150万部を突破するなど好材料もあり、10月(17.3%減)からは減少幅は縮小したものの、前年より休日が2日多く、4~5%の押し上げ効果があったことを考えると、厳しい状況に変わりはない。
野村証券の繁村京一郎シニアアナリストは「売り上げ回復に特効薬はない。急回復させようと焦ったりせずに、地道に信頼を取り戻していくしかない」と指摘している。【神崎修一】