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日本酒が世界ですごいことになっている
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20140623-00036667/
児玉 克哉 | 三重大学副学長・教授2014年6月23日 16時13分
日本酒の苦戦が続いています。国内の販売量は過去30年間で3分の1近くになりました。なかでも若者の日本酒離れは激しい。日本酒よりも焼酎・ワインです。国内市場の縮小は続いており、歴史を誇る酒造元も廃業になっています。
最近、海外で日本酒を評価する声を聞きます。一級品のワインにも劣らない素晴らしい品質がある、というのです。確かに日本酒を飲む外国人は増えていますし、私の知り合いでも「Sake saiko-」といいながら日本酒を飲む外国人もいます。
ただ、海外で流通する酒の全体の量は限られています。これは日本酒が、世界のsakeにまだなっていないからです。あくまで日本レストランであったり、親日家であったり、外国在住の日本人であったり、でいわば日本コミュニティから脱していないのです。
ワインが世界に広まっているのとは状況が大きく異なります。いかに日本酒を世界のsakeにするか。ここにかかっていると思っています。
確かに日本酒のレベルは高いのです。といってもすべての日本酒が素晴らしいというわけではありません。ワインにもウイスキーにも美味しいものとそうでないものがあるように日本酒にも様々なレベルがあります。
海外で一般のスーパーで売られている日本酒の中にはひどいレベルのものもあります。海外でつくられた酒は昔はひどいものでした。水にアルコールを入れたようなものといっていいものでした。これが日本酒か、と驚いたものです。
さすがに最近はかなり改善はされているものの、一般にはいいレベルの酒はあまり出回っていないのです。このイメージによって日本酒はsakeとして世界の飲み物にならなかったと思っています。
ただ状況は変わりつつあります。状況を変えているグループの一つが「酒サムライ」。全国の若手蔵元で組織する日本酒造青年協議会が日本酒の誇りを取り戻し、日本酒文化を日本国内のみならず、広く世界に伝えるために結成した団体です。
酒サムライの設立趣意書を抜粋します。
◆設立趣意
サムライ。それは美しきもの、大切なものを守る強い意志と情熱をもつ人びと。
日本は、古来より「豊葦原瑞穂の國」と呼ばれてきました。稲穂はすなわち米、そして水。この二つはまさに日本の原点であり、これらを原料とする日本酒は、長い歴史と美しい風土によって育まれた、素晴らしい知恵と高い技術の結晶といえます。
ところが“国酒”である日本酒は、私たちの日常生活のなかで、“日常のもの”ではなくなりつつあります。特に近年、日本酒のみならず私たちの伝統的な食文化や生活文化は、様々な社会的環境変化により、次第に日本人の生活の中心から外れてきています。 日本から日本人の“誇り”が失われつつある、私たちはそのような危惧を感じています。
ひるがえって、海外での和食や日本酒の普及には目を見張るものがあり、その評価は年々高まりつつあります。和食や日本酒が、日本人の知恵や知識と重なり合って日本文化を世界に伝えているのであり、美しい日本文化が、優れたものとして世界から認められていることの証です。
今、最も日本文化の誇りを忘れているのは、日本人ではないでしょうか。そして、最も日本酒の誇りを忘れているのも、日本人ではないでしょうか。
日本酒造青年協議会は、日本酒文化の継承者たる酒蔵の若者たちが集い、切磋琢磨する団体です。失われつつある日本酒の誇りをもう一度取り戻すために、日本酒文化の担い手である私たちが、今こそ行動をおこさなければなりません。
私たちは、日本酒を愛し守る「サムライ」として、日本文化と伝承技の結晶である日本酒が世界に誇れる文化である事を、世界にあまねく伝えていこうと決心致しました。
志を同じくする者が「酒サムライ」の輪を世界に広げていかんことを心から願い、ここに「酒サムライ」の結成を宣言致します。
平成17年10月20日
ロンドンでこの酒サムライの活動を知りました。素晴らしい日本酒は一級のワイン以上だと、ヨーロッパでは非常に高い評価を受けるようになっています。素晴らしい活動です。
日本酒が世界で評価され、それが日本での評価を高めるという「逆輸入現象」が起きつつあります。日本酒の素晴らしさを再確認する必要があるのは日本人です。これから海外で造られる本当に美味しい日本酒ももっと出るでしょう。
酒が世界のsakeとなる時代がもうすぐです。日本のこの素晴らしい食文化をさらに発展させたいですね。
そうだ、今日は日本酒で乾杯しよう!
児玉 克哉
三重大学副学長・教授
三重大学副学長・人文学部教授、国際社会科学評議会理事。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。