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浪漫万丈

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●「日本製が一番」訪日中国人のおみやげ、次はランドセル



日本製のランドセルが外国人観光客の間でブームになっている。関西国際空港(大阪府泉佐野市)の免税店では中国人が買い求める姿が少なくなく、中にはファッション感覚で自分用に“大人買い”する欧米人も。軽くて丈夫という機能性も評価されている。少子化で国内需要の縮小が見込まれるランドセル業界にとっては渡りに船。新たな消費者の登場に、海外での販路拡大を視野に入れる企業も出始めた。(勝田康三)

■ドラえもん叩き、政府は反日でも「日本(製)大好き!」…あふれる中国人

「この赤いランドセルが娘にちょうどいい」

関西国際空港の国際線出発エリアにある免税店「萬(よろず)」で、帰国を前に台湾人夫妻が赤いランドセルを手に取り、女性自ら背負ってレジに並んだ。

妻の張慧騏さん(32)は娘がまだ1歳にもかかわらず、小学生になるまで大事に保管しておくという。張さんは言う。

「メイド・イン・ジャパンはベスト。日本のランドセルは軽くて丈夫、しかも安いので早いけど買った。いい買い物をした」

国際線出発エリアでは、萬と系列の「和(なごみ)」の2店でランドセルを扱っている。陳列台に並ぶランドセルは黒や赤、青、茶とカラフルだ。外国人観光客が購入しやすいように定価3万2400円のところを1万2千円と特別価格にして販売している。関空の国際線は中国などアジア路線が多く、2店の外国人客は中国人や台湾人などアジア系が中心だという。

2店の販売責任者、大村泰二郎さん(39)によると、ランドセルを店頭販売し始めたのは6月中旬ごろから。インターネット上で、日本のランドセルを背負う外国人の写真を見てひらめいた。

中国人に人気が高いのは、同国内で放映されたテレビアニメ「ドラえもん」「ちびまる子ちゃん」などの影響だという。

販売を始めると、1店で月約100本も売れるヒット商品になった。「正直ここまで売れるとは全く思っていなかった」と大村さん。中国の建国記念の日にあたる10月1日の「国慶節」から7日までの大型連休中はランドセルを買い求める中国人であふれ、1日だけで10本以上売れた日もあった。

日本製品をめぐっては紙おむつなどを大量購入して中国で転売するケースが目立っているが、ランドセルは親や祖父母らが子供用に購入。通学のほか、ピクニックなどでリュックサック代わりに利用しているという。

■欧米人は「機能的。必須アイテム。大人のファッション」

一方、欧米人の場合、20〜30代の男女が自分用の土産として買い求めているという。つまり自らのファッショングッズとして購入しているのだ。

米CNN(電子版)によると、今年春、ハリウッド女優で歌手のズーイー・デシャネルさんが赤いランドセルを背負ってニューヨークを歩く姿が米メディアで報じられた。CNNは、「いまやランドセルは日本旅行の土産物として“マスト・バイ”のアイテム」と紹介するほどだ。

そうした動きは、日本国内にも波及している。

大手ランドセル製造会社「セイバン」(兵庫県たつの市)が5月末にオープンさせた東京・表参道の直営店には、9月末ごろから外国人観光客の来店が増え始めた。

デザイン性のほか、カラフルで華やかなところが外国人にとって新鮮に映るらしいが、特に欧米人には、ランドセルの底にカギがあることでスリ対策に効果が高いと思われていることや、ノートパソコンがすっぽりと収まるなど機能性の高さも実用的と評価されているようだ。

■海外でもランドセルは売れる

こうした外国人観光客のランドセルブームを受け、日本企業が海外進出を狙う動きが活況を帯びている。

かばん製造卸売会社「池田地球」(大阪市)は、海外での展示会などで日本製ランドセルの売り込みを進める。もちろん、欧米と中国の販売戦略は分けている。

同社は2年前、パリの展示会でランドセルを試験販売したところ、想定の約10倍にあたる28本が売れた。半分以上が大人で箱形でバランスがいい点が評価され、「自転車に乗るのにちょうどいい」「画材入れにぴったり」と好評だった。

欧米向けにランドセルの大きさや値段の設定のためにも「一定の調査が必要」とし、当面は国内空港の免税店や百貨店を中心に販売を強化する方針だ。

一方で、購買意欲に富む中国の富裕層も魅力的な存在に映る。

「一人っ子政策」により、富裕層は子供に投資を惜しまない傾向が強い。同社の奥田元信ランドセル事業部長は「赤字覚悟でまず安めの日本製を使ってもらい、将来的により高くていいものを買ってもらえるよう市場開拓を進めたい」と中国進出の構想を語る。

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