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- Date:2024年11月22日
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名古屋は「東京郊外」に 350兆円稼ぐ巨大市場誕生 リニアなら通勤も可能に
《2027年○月×日午後10時半、品川駅から開業したばかりのリニア中央新幹線に乗り込む。今日は遅くまで同僚と飲んでしまったが、うとうとしているうちにもう名古屋に着いた。コンビニで買った缶ビールを開ける時間もなかったが、この時間なら日付が変わるまでに家に帰れそうだ》
リニアならこんな通勤も可能だ。品川-名古屋間の所要時間は最短40分。料金も現行の新幹線運賃に700円を加算した程度におさまりそうだ。名古屋はもはや東京の「郊外」になる。
東海道新幹線が開通した際に大阪からヒト、モノ、カネが首都圏に吸い取られた「ストロー現象」を懸念する向きもあるが、政治・経済の中心地である首都圏と、トヨタ自動車など日本の基幹産業が集積する名古屋圏が機能を補完しあえることに期待する声も多い。
さらに2045年に全線開業すれば、東京-大阪間は67分。日本の人口の6割にあたる約7300万人が集まり、国内総生産(GDP)の7割に相当する約350兆円を稼ぐ巨大経済圏が誕生する。「世界最大のスーパーメガリージョン(超巨大都市圏)を形成して、人の流れが劇的に変わる」。太田昭宏国土交通相もこう期待する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングはリニアの経済効果について、移動にかかるコストが生産活動に回る結果、名古屋開業時で10・7兆円、大阪開業時で16・8兆円(いずれも50年間の効果)とはじく。
東海道新幹線と違う路線を走ることで、「東海地震などの大災害に備えてのバックアップ」(JR東海)の意味合いも大きい。動き始めた夢の超特急が、日本の経済やライフスタイルを大きく変えることになりそうだ。(田端素央)