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浪漫万丈

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●何があっても受け入れる。 - ヒロミ、人生の基本姿勢を語る




1965年東京都八王子市生まれ。タレントであり、トライアスリートであり、実業家。株式会社ビィーカンパニー代表取締役社長。高校卒業後、一般企業を経て、86年にデビット伊東、ミスターちんとともにB21スペシャルを結成。トリオとしてはもちろん、毒舌タレントとして人気を博す。40代からテレビの仕事が減ったのを機にトライアスロンをはじめ、トレーニングジム「Body Conscious 51,5 HIROMI BODY ART」を経営。現在、恵比寿、二子玉川、中目黒に出店するほか、岩盤浴のスパも全国展開。



「再ブレイク」だといわれている。

かつてはMCを務めるレギュラー番組をいくつも抱えていた。

でもこの10年で少しずつ見なくなっていた。

実はそのあいだ、ビジネスの世界でえらく成功していたのだ。

人生の山と谷を経験するのは今回が初めてではない。

生死にかかわるターニングポイントが何度もあり、

勝負をかけるタイミングもたくさんあった。

それをどんなふうに乗り切り、今があるのかをぶっちゃける。


50年を赤裸々に
つづった著書を発表

著書『いい訳しない生き方』によると、おもだった遊びのラインナップはこんな感じ。“マリンスポーツ、スノーボード、フィッシングに射撃、モータースポーツ。罰ゲームのようなスカイダイビング”……これらに10年ほど前、トライアスロンが加わった。折しも、テレビ出演が減り始めていたころ。2006年にテニヤン島でレースに出場し完走するものの、死にかけ。ヘロヘロ。で、親友の木梨憲武さん紹介の加圧トレーニングジムに通いだしたのが、運の尽き(?)。どっぷりハマってトレーナーの資格を取り、自らジムを経営することになってしまった。それが今は都内3店舗。全国にスパも展開する。

「やりたいことだけが仕事じゃないから、自分のやりたい仕事に巡り合える人ってなかなか少ないし、芸能人が稀有なのであって、大抵の人が就職するのは別にやりたい仕事とは限らないよね。僕にとってもスポーツジムはすごくやりたくて…というよりタイミング」


―ご本を読ませていただくと、改めて波瀾万丈だなと。

「何にもなくやっていける人がベストだと思うんだけど(笑)、大抵の人生には何かあって、俺はそれが激しい感じなんだろうね。振り返ってみると、“経験しなさい”と言われいてるんだと思う。ケガしたときも、40になって急にテレビの仕事が減り始めたときもそうだけど、俺は全部“しょうがないな”って受け入れちゃうタイプなんです。受け入れないと、そこからのスタートって切れないからね」


―ヒロミさんがかつて、1万本のロケット花火を背負って宇宙を目指すテレビの企画で大やけどを負われたことは知ってますし、なんだったらちょっと笑い話的に受け止めてたんですが、めちゃくちゃ壮絶だったんですね!

「あの当時はそんなことを言うこともなくさらっと芸能界に復帰しちゃったし、話す機会もなかったんだけど…」


―プールのなかで焼けた皮膚をゴシゴシとるとか、入院中のベッド脇に見える女性の幻と語り合ってるとか、異常な体験でしたね。

「まあ自分のなかでちょうどよかったんですよ。頭のなかで時間が過ぎると、どんどん変わってっちゃうから。1回事実として、こうだったなっていうのを書いておけて」


―書くのに時間はかかりました?

「半年はかかったね。少しずつ思い出しながら書いたから。正直、最初はインタビューしてもらったのをライターさんに文章にしてもらったんですけど、やっぱりその人の意図が入るし多少俺のニュアンスと違うから、途中でめんどくさくなって(笑)。結局イチから全部自分で書いたんです」


―経験則をすごく大切にされてるのは、何に由来するんですか?

「完全に育ち。本にも書いたけど“怪我と弁当、自分持ち”っていう、大工やってたおやじの口癖。それがすべてだと思うんだよね。言ったことやったこと起きたこと全部、責任は自分にしかないんだよっていう。だから何があっても受け入れる。それを聞いて育ったからね。子どものころから、あんまり人に頼ったり相談したりすることもなくて、自分のなかで処理をするというの気質だったんですよ」


―始めるときには、「超やりたい!」っていうよりは、タイミングだったりっていうことが多いんですか。

「あとは単純な興味。何でも興味がわいたらとりあえずやっちゃうんですよ。やってダメならしょうがない、やらずに頭でああでもないこうでもないって考えて、計算上これはダメそうだな、じゃあやめとこうっていうのがイヤなんですよ。やってダメならその経験はきっと生きるけど、頭のなかでシミュレーションして“ダメそうだな、やめとこ”っていうのはなんの経験にもなんないでしょ? だからそういう人の話はあんまり聞きたくないかな。失敗した人と話すのはいいけど」



芸能の仕事と一般の仕事
共通するプロのスタンス


―いわば今って再ブレイク状態ですよね。どういった心境ですか?

「まぁ、別にもう若くもないからそれで浮かれているわけでもないし、仕事だから発注があればやりますしっていうぐらいな感じですね。みんなが言うほど、“俺すごく売れてる!”っていう実感もないし。ただ現場でのやり口とかは昔とは変わってきたかな。年齢のせいかなとも思うけど、やってて面白いですよね」


―今のほうが軽妙というか、余裕があるというか……。

「昔のほうが、より“仕事として”とらえているところはありましたね。やり口も“こうじゃなくちゃダメだ”っていう自分なりの思い込みに基づいてやっていたし。スタッフの接し方も」


―ジムとかスパのお仕事はどういうスタンスなんですか?

「僕が現場に出てトレーナーとしてやるんじゃなくて、店を作って現場はスタッフにやってもらう。僕はプロデュースという立場。それまではプロダクションの社長といっても、自分が働いて稼がないといけなかったから。人を使ってビジネスをするというやり口は、それはそれで面白いよね。でも両方やってみてわかったのは、仕事って芸能でも一般職でも事務でも営業でもそんな変わらないよね、本当に」


―芸能の仕事が役立った点は? 

「よくうちのスタッフに言っていたのは、自己プロデュースの話。芸能人って、自分なりのキャラクターで勝負していかないといけないでしょ? 食いしん坊キャラとかおバカキャラとか、自分で作ってそこを伸ばすっていう」


―キャスティングされる時もそこが条件になったりするんでしょうしね。なるべく他の人とかぶらないように。

「一般の仕事もそういう部分を自分で作っていかないと。自分をどういう社会人としてプロデュースするのか。そこを考えていったほうが俺はいいと思うよって、会社ではよく言いますね。芸能人って、基本は個人事業主だからそこのところの意識は誰しも高いと思う。サラリーマンでも自分自身を演出していくのが大事だと」

―会社員だと自己演出とかあまり重視しないかもしれないですね。

「うん。だからまずは自分の職業の延長線上の、すごく仕事のできるヤツをイメージしてそういう見え方に自分を持っていくとかね。すごく優秀なサラリーマンならたぶんこうするよなっていうところを考えて、自分自身がそれをやりたいかやりたくないかは別にして、それになろうとしてみる。自分が想像するできるマネージャー、トレーナー、美容師、ショップスタッフ…“自分がそのジャンルのカリスマである”と思って、その境地に自分を持っていくという演出をしていかないと。自分以外に誰も演出してくれないから。そうしてると、何でもない仕事もプロっぽく、プロ意識でできる」


―イコールそれがプロ意識だと。

「自分がそう思って仕事をするというのが大事なんだよね。本にも書いたけど、AD(アシスタントディレクター)だったら、ディレクターになる前の雑用係じゃなくて、“プロAD”という職業にしてしまえばいいと思うんだよね。ディレクターの小間使いでタバコとかジュース買ってくるんじゃなくて、ADはADとしての仕事を完璧にこなし、ディレクターはディレクターの仕事を完璧にこなしてください、っていう“プロ同士の話”にしたほうがいい」


―なるほど、やっぱり自分の責任は自分で果たすというところに決着する。

「雇う側と働く側の全員がプロ意識を持っていると、“8時間拘束しているから給料がいくら発生する”ということじゃなくて“拘束してる8時間でこんな仕事を達成した”っていう…“職場に居る”のか“職場で働いている”のかの違い。職人さんって完全にそうだよね。まず壁を塗り終わること。それがキレイに塗れているのか。周りがどれだけ“完成だ”って思っても、それを判断するのは本人。“いや、塗り直します”っていうのがプロ意識でしょ。だからサラリーマンも、プロサラリーマンになる手があるよな、って」


―その意識はいつからですか?

「芸能人になってギャランティが発生し始めた時から。全然ウケなかった時に、結果を出さなかったからってギャラを受け取らなかった…っていうようなことを、この本を書きながら思い出して、もう20歳ぐらいの時から変なプロ意識だけは持っていたんだなと(笑)」


―で、一方で遊んでますよね?

「遊んでるね(笑)。健康に遊ぶのは俺のすごく大事なところだから。遊ぶために仕事してるっていうのもあるし、遊ぶために体が動くほうがいいからトレーニングもしてる」

―今また忙しくなって、遊びの時間って圧迫されてません?

「あんまりそれは感じないですね。僕ね、時間を作るのがウマイんですよ。夕方から仕事の日なんかは、もう休みのつもり(笑)。朝5時ごろ家を出て、1時間半で富士山のあたりについたら、1時間ほど登って1時間で降りてきて、もう午後には東京に戻ってきたりするし(笑)。あと、朝イチに家を出てカヤックやって戻ってきて仕事行くとか(笑)。仕事するのと遊ぶのは、俺、おなじぐらい人生のなかで大事だと思う」


―普通のサラリーマンでも?

「もちろん。勝手なイメージだけど、俺は、遊べるヤツは仕事もできると思ってるんです。それで仕事も楽しいんだよなあ。遊びとは違う楽しさ。“ヤダな”とか思わない。俺、遊ぶの大好きだけど、優先するのは仕事ですよ。で、空いてるところはめいっぱい遊ぶ。もし次に何かやるとしたら“遊びの学校”をやりたいと思ってるんです。商売になるかどうかわからないけど」


―ヒロミさんが「やりたい」というなら、「やる」なんでしょうね。

「うん、たぶんやると思うね(笑)」






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