ついに、という感じである。日本が誇る(と、海外のファンは称賛する)BABYMETALが、ガンズ・アンド・ローゼズの日本公演(1月21日の京セラドーム大阪を皮切りに全5公演)でサポートアクトを務めている。
昨年12月にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズとツアーを行ったばかりだが、年を明けてすぐ、80年代のハードロック界で隆盛を極めたガンズとの共演とあってBABYMETALファンならずとも世界中のロックファンらを驚愕させている。
デビュー当時から往年のガンズ・ファンを自称する人たちにはコワモテも多いといわれるが、彼らはこの日本公演の実現に、多少面喰ったかもしれない……というのはいらぬ憶測だったようで、たとえば、ヨーロッパのメタル好きが集まるフォーラムやSNSには、「うらやましい!」、「祖国日本でガンズと共演なんてすごい!」、「行きたい!」と素直な意見が山ほどツイートされている。
◆コワモテをも魅了するパワー
ガンズについて語るフォーラム上で懐疑的意見を述べていた、BABYMETALをよく知らない人たちも、BABYMETALの動画を見るとその存在感に度肝を抜かれるようだ。へヴィな音楽(演奏)に乗って息のぴったり合ったダンスをする3人の最高のパフォーマンスに、息をのみ言葉を失ってしまうのである。
ガンズ・アンド・ローゼズのメンバー各個人の才能が放つオーラは強力だが、それにも決して引けをとらず、力量としてつり合いが取れたとさえいえるBABYMETALへの注目度はさらに高まるばかりだ。
昨年12月には、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの英国ツアーに参加。これまた多くのファンを魅了した。このコンサートでは、英国を代表するメタル・グループ、ジューダス・プリーストの有名なナンバー2曲で共演したのみならず、ツアー当日に誕生日を迎えたボーカルのSU-METALに対し、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのドラマーが音頭を取り、会場中が「ハッピー・バースディ」の合唱に包まれたほどの盛り上がりぶりだった。
ちなみに、前述のジューダス・プリーストのボーカルで「メタル・ゴッド」の通称で知られるロブ・ハルフォードもBABYMETALと昨年の7月に共演しており、彼から「最高!」のお墨付きをもらっている。
◆女性メタラーも称賛!
ちなみにヨーロッパでは、BABYMETALを高く評価する女性メタラーが多いのも特徴かもしれない。彼女たちによると、女性は一般的に同性のアーティストに対し称賛するか憧れを抱くか、もしくは批判するかのどれかだというが、BABYMETALに関しては、同性メタラーをも魅了する「魔力」を持っているということだ。日本では、大晦日の恒例・紅白歌合戦には惜しくも参上できなかったBABYMETAL。真偽のほどは定かではないが、選出に漏れたその理由は「悪魔を連想させる」からだというが、世界のメタルファンや現役ミュージシャンらの心をも魅了する、魅力を超えた「魔力」を持ったBABYMETALが世界制覇をする日もそう遠くはないだろう。
(カオル イナバ)